和室の畳をフローリングにリフォームするには?費用と注意点

畳からフローリング

「和室が古臭くて畳だけでも模様替えしたい!」
「畳では立ち座りがしにくくなってきたのでフローリングにしたい!」

など、ライフスタイルの変化により、和室から洋室にリフォームするご家庭が増えています。

建具(障子やふすまや扉など)や壁紙をすべて一新するとかなり費用がかかりますが、畳をフローリングに変えるだけで、費用を抑えつつ印象をガラッと変えることができます

この記事では、和室の畳をフローリングにするリフォームにかかる2つの方法と費用を、実際のリフォーム事例とともに解説します。

注意点や補助金についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


1.【事例で解説】畳からフローリングにする2つの方法

畳からフローリングにするリフォームには、大きく分けると以下の2つの方法があります。

  1. 張り替え工法:畳を剥がして張り替える
  2. 重ね張り工法:畳の上からフローリングを張る

「張り替え工法」と「重ね張り工法」について、メリットやデメリット、リフォーム事例をご紹介します。
それぞれの特徴を知り、自分に合った方法を選びましょう。

①張り替え工法:畳を剥がして張り替える方法

張り替え工法は、和室の床を剥がし、床の下地を調整したうえで新しくフローリングを張る方法です。6畳程度の広さなら、1日程度でできるリフォームです。

施工風景

出典:https://39reform.com/2021/12/18/%e7%95%b3%e2%9e%a1%e3%83%95%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%b8/

■メリット・デメリット

張り替え工法のメリット・デメリットには以下のようなものがあります。

張り替え法のメリット・デメリット
メリット
  • 高さを合わせられるので、仕上がりがきれい
  • 段差などが解消されるため転倒防止できる
  • 下地を確認できるため、シロアリや腐食などがあればしっかり修繕できる
デメリット
  • 重ね張り法に比べて、施工費用が高い(廃材処理費がかかる)
  • 工数が多く、工期も長くなりやすい
  • 保温性や防音性が下がる(寒さは断熱材を入れることで対策可能)

■事例

ライフスタイルの変化やお部屋の老朽化が目立ち始めたのをきっかけに、畳を剥がして新しいフローリングに張り替えた方の施工事例をご紹介します。

事例1 子どもの誕生に合わせて畳からフローリングへ

※横にスクロールできます

事例1-1
事例1-2

2人目のお子さまのご誕生に向けて、畳からフローリングへリフォームを行いました。
明るい木目調のフローリングに張り替えることで、室内の印象がパッと明るくなります。食べこぼしや飲みこぼしなどの汚れもフローリングならサッと拭き取りやすく、床を清潔に保つことができます。

忙しい育児中の方や、掃除をラクに済ませたい方にもおすすめです。

出典:https://freshhouse.co.jp/case/20175/

事例2 床と合わせて収納も。和室を洋室に一新

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事例2-1
事例2-2

和室から洋室にリフォームをしてお部屋のイメージを一新しました。
古くなった畳からフローリングに張り替えて、見た目にも美しく、足元の不安定さも解消されました。

このリフォームでは、床の間と押入れをクローゼットに変更してデッドスペースを有効活用。クローゼットの内部にはハンガーパイプや棚を設置しているため収納力が格段に上がっています。襖を扉に変えて統一感のある空間を演出。

出典:https://freshhouse.co.jp/case/23149/

事例3 和室から一部畳を残した洋室へ

※横にスクロールできます

事例3-1
事例3-2

仏間の機能はそのままに、お部屋の古いイメージを払拭するために洋室へとリフォームをしました。
部屋の中央を畳にして寛げるスペースを確保しています。ご先祖から大切に引き継いだお仏壇はそのまま残し、和と洋を融合した現代風のおしゃれな仏間に一新。

「古くなった和室を洋室にリフォームしたいけど、和の雰囲気も残したい」という方におすすめです。

出典:https://freshhouse.co.jp/case/1523/

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②重ね張り工法:畳の上からフローリングを張る方法

重ね張り法は、畳を剥がさず、今ある畳の上からそのままフローリングを張る方法です。こちらは数時間でリフォームすることができます。

フローリングマット

■メリット・デメリット

重ね張り法のメリット・デメリットには以下のようなものがあります。

重ね張り法のメリット・デメリット
メリット
  • 畳の処分が不要で低コストの施工が可能
  • 短い工期でリフォーム可能
  • 床材が二重になることで防音性能が上がる
デメリット
  • 畳とフローリングの間に湿気がこもりやすくカビやダニが発生しやすい
  • 場所によっては段差ができてしまう
  • 床の下地が傷んでいたりシロアリが発生していても気づけない

畳からフローリングに張り替えるときは、予算だけでなく、メンテナンスの手間や見た目を総合して自分に合う方法を選びましょう。

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2.畳をフローリングにリフォームする費用

畳からフローリングにリフォームにする際の費用相場は約8万~30万円です。

  4.5畳 6畳 8畳
複合
フローリング
張り替え 約10万円 約18万円 約22万円
重ね張り 約8万円 約15万円 約18万円
無垢
フローリング
張り替え 約13万円 約25万円 約30万円
重ね張り 約11万円 約22万円 約26万円

リフォームにかかる費用は、施工方法のほか、畳数やフローリング材によっても変わります。

なるべく費用を抑えたいなら、フローリング材は複合フローリングを選びましょう。

一方、無垢フローリングを選んだ場合、1畳あたり5,000~10,000円ほど加算されますが、お手入れ次第ではかなり長持ちします。

フローリングの種類については、以下で詳しく紹介します。


3.フローリングの種類

フローリングには、大きく分けて「無垢フローリング」と「複合フローリング」があります。

無垢フローリングは自然な風合いで、温かみのある印象が特徴です。比較的高価ですが、天然木由来の自然なぬくもりを取り入れることで安心感のある住まいを作ることができます

また、化学物質などを使っていないため、アレルギーをお持ちの方やシックハウスが気になる方にも安心して取り入れていただけます。

複合フローリングは、カラーや遮音性能などのバリエーションが豊富で、比較的安価なものも多いため、選択の幅が広がります

以下の一覧に無垢フローリングと複合フローリングの特徴をまとめました。ぜひ参考にしてください。

無垢フローリング 複合フローリング
イメージ 無垢フローリング 複合フローリング
価格 高価なものが多い 低価格に抑えやすい
経年劣化 発生する 発生しにくい
掃除の容易性 掃除しにくい 掃除しやすい
調湿機能 あり なし
膨張・伸縮・反り 発生する 発生しにくい
耐水性・耐傷性 弱い 強い
バリエーション 少ない 豊富
メリット ・天然木ならではの魅力的な風合い
・調湿作用がある
・耐久性や衝撃性に優れている
・比較的安価
デメリット ・柔らかく傷がつきやすい
・複合フローリングより高価
・肌触りが固くて冷たい
・ものによっては安っぽく見える

▼詳しくは以下の記事で解説しています。

フローリングの種類を徹底解説|自分好みのフローリングを選ぼう!
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4.畳からフローリングへのリフォームで使える補助金

なるべく費用を抑えたいという場合は、補助金の利用を検討するのもひとつの手です。

例えば、介護保険を利用した「住宅改修費支給制度」や、各市区町村独自のバリアフリーを目的とした住宅改修費補助では、円滑な移動ができるよう住宅をリフォームする場合に、リフォームの費用の一部が助成されます。

介護保険の場合は家族に要介護認定や要支援・要介護認定を受けている人がいるなど一定の条件を満たせば、介護保険が利用できる場合があります。介護保険を利用すると、最大20万円までのリフォームが工事費の1割~3割を負担するだけでできるので、利用しない手はありません。

ほかにも、住宅の断熱化を推進する補助金も多く、床に断熱材を入れることで、リフォーム費用を補助されるものもあります。

市区町村独自の補助金は、お住まいの自治体がどういった補助を行っているのか、対象要件は何かを確認しましょう。下記サイトではお住まいの地方自治体で用意されているリフォームの補助金等について検索できます。

地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト

▼介護リフォームに関する補助金についてはこちら

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5.畳からフローリングにリフォームする際の注意点

ここでは、畳をフローリングにする際に注意する点を5つ解説します。

①湿気対策が必要になる場合がある

窓枠の湿気

畳は通気性が高い床材で湿気を吸ってくれますが、フローリングにはその機能はありません。そのため、畳から複合フローリングにすると調湿機能が大幅に落ち、窓に結露ができる可能性があります

また、畳から無垢フローリングにする場合、湿気が多い部屋ではフローリングが湿気を吸ってぶかぶかになる可能性があります。湿気が多い部屋の場合は無垢フローリングではなく複合フローリングを選択する、畳の時よりも頻繁に換気を行うなどの対処が必要です。

フローリングの種類に注意して選んでも湿気がひどい場合は、家全体の湿気対策の見直しも必要になるでしょう。

②防音性能を考える必要がある(特にマンションの場合)

畳の厚さが40~50ミリあるのに対し、フローリングは12ミリ程度しかないため、防音性が大きく落ちます。そのため、畳からフローリングに変更する場合は防音性能を考慮する必要があります複合フローリングにするなら、遮音性の高いタイプもあるので検討してみるとよいでしょう。

また、マンションで床材の張り替えを行う場合には管理規約上で定められた防音基準があります。マンションごとに規約で採用している基準は異なりますが、LL40~45のグレードを要求されることが多いです。

防音基準を満たす必要があるので、複合フローリングであれば遮音性能を持つタイプを選ぶ必要があります。無垢フローリングの場合、防音対策工事をあわせて行うか、防音マット付きフローリングを選択する必要があるでしょう。

▼マンションの床のリフォームについては、こちらの記事も参考にしてください。

【マンションの床リフォーム】張り替え前の注意事項|工法・種類・費用を確認
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③畳と比べて冷えを感じやすい

畳に比べると、フローリングは冬場に足元がひんやりすることが多いです。また、フローリングは畳のように空気を含まないため、夏場も冬場も外気に左右されやすい傾向があります

この傾向は、床下に断熱材を入れて緩和することもできますし、複合フローリングであれば、床下暖房を設置することも可能です。ぜひ検討してみてください。

④汚れや傷が目立ち、補修の手間がかかる

フローリングはお掃除が簡単な反面、埃が目立ちやすい、傷がつきやすいといった特徴があります。特に無垢フローリングの場合、傷の補修が難しいといった難点もあります。

汚れや傷の問題は、コーティング付きのフローリングやワックスがけをすることで軽減できますが、その分手間がかかることはあらかじめ理解しておきましょう。

⑤業者選びは慎重に行う

畳からフローリングにするリフォームは、大規模な水回りのリフォームなどと比べると安価ですが、それでも業者選びには慎重に行う必要があります。

例えば畳を無垢フローリングにする場合、無垢フローリングは自然な風合いがあって近年人気が高まっていますが、経年変化が激しく反りや割れが出やすいといったデメリットもあります。

こうした扱いが難しい素材を無垢フローリングの施工実績が豊富な業者に頼めば、扱いが難しいことを理解したうえでリフォーム後にトラブルが起きにくいように施工してくれますし、想定外の対応があった際も対処法をすぐに確認することができます。

逆に、慣れていない業者にお願いすると、思ったよりも早く劣化してしまったなどの後悔をする恐れもありますので業者選びは慎重に行いましょう。

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回答

6.DIYで畳をフローリングにリフォームできる?

和室から洋室へのリフォームを検討するとき「自分の手で畳からフローリングに張り替えたい」と考える人もいるでしょう。

畳の上からフローリングに張り替える「重ね張り法」なら、畳を剥がしたり下地を補修したりなどの工事が必要なく、小規模のリフォームに慣れている人であればDIYで対応可能です。

また、DIYに慣れていない人でも、貼るだけのシール式フロアタイプを使えば、簡単に畳からフローリングに変更できます。裏面に滑り止めがついたフロアタイルなら接着剤不要で、賃貸でも使用可能です。デザインや素材も豊富にあり、お部屋の雰囲気に合わせて選べます。

ただし、短時間できれいに仕上げたい方やカビやダニが気になる方はリフォームのプロに依頼することをおすすめします。

▼詳しくは、こちらの記事をご確認ください。

フローリングリフォームは「DIY」と「プロに依頼」どっちがいい?DIYの手順や費用相場も解説
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7.まとめ

この記事では、畳をフローリングにリフォームする際の費用や注意点などをご紹介しました。

畳からフローリングに替えるリフォームは比較的安価に行えますが、まったくデメリットがない工事ではありません。リフォーム後に後悔しないためには、畳からフローリングに張り替える工事の実績が多いリフォーム会社に相談し、よく検討したうえで実施することをおすすめします。

畳からフローリングへのリフォームの実績が多いリフォーム会社選びで迷った際は、リフォームガイドをぜひご活用ください。独自の取材情報や口コミを元に、最適なリフォーム会社選びをお手伝いいたします。

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